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ざくっと解説 労働基準法(その2)

労働条件の通知

会社は、従業員都労働契約を結んだ時点で賃金や労働時間などの労働条件を書面などで明示する必要があります(法第15条)
この明示が「労働条件通知書」や「労働契約書」などと呼ばれています。

「通知書」の場合は、文字通り、会社が通知するのみ。
「契約書」の場合は、契約ですから、双方がサインをするという物です。

法では「明示」までなので、「契約書」とする必要まではありません。
ただし、お互いの合意での契約をしておいた方が、あとあとモメないと思います。

労働条件の通知の仕方は、原則書面となっていますが、現在では労働者が望むならば、FAXや電子メールなどでの明示も問題無しとなっています。


さて、どのような明示が必要なのかの項目です。

■明示が必要な事項
(1) 労働契約の期間(無期労働契約か、有期労働契約か)
(2) 就業場所(雇入れ直後の配置場所)
(3) 職務内容(雇入れ直後の業務内容)
(4) 給与の決定、計算・支払の方法、締切、支払の時期について
(5) 始業・終業の時刻、休憩時間、休日、休暇(年休を含む)
(6) 所定労働時間を超える労働の有無
(7) 労働者を2組以上に分けて就業させる場合は、その就業時転換について
(8) 退職の事由と手続きについて
(9) 有期労働契約の場合は、その更新の有無や更新の判断基準などについて

■労使の取り決めがある場合、明示が必要な事項
(10) 退職金の決定、計算・支払の方法、締切、支払の時期などについて
(11) 賞与や臨時に支払う賃金などについて
(12) 労働者負担とする作業用品や食事代などについて
(13) 安全衛生について
(14) 職業訓練について
(15) 災害補償や業務外の疾病の補助などについて
(16) 表彰と制裁について
(17) 休職について

■パート、アルバイトは、パートタイム・有期雇用労働法により以下の労働条件も明示が必要
(18) 昇給の有無
(19) 退職手当の有無
(20) 賞与の有無
(21) 相談窓口

なお、労働条件通知書のひな形は、厚生労働省のHPにダウンロードできるようになっていますが、必ずこれを使わないといけないかというと、項目さえ網羅されていれば、不要な物は適宜削除しても問題はありません。会社独自の様式でも問題ありません。


内容を見てもらうと「そんなもの当たり前」ということがほとんどだと思います。
たまに相談があるのが「言っていた金額と、給料が違う」という内容を聞きます。
労働条件通知書を見せてくださいと言うと、「そんな物は無い」とかになったりします。
これだと、言った言わないの世界になってしまい、何とも対応の仕様が無いと言ったところです。
給料の額は(4)に定義があります。「給与の決定、計算の方法」です。


前回も述べたように、労基法は最低限度の法律です。

言った言わないの世界になって、あとあとモメるよりは、きちんと条件明示をした方がより円滑に会社運営が進みます。

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