関節リウマチの事例
関節リウマチは、関節が炎症を起こし、軟骨や骨が破壊されて関節の機能が損なわれてしまう病気です。放っておくと、関節が変形してしまう危険性もあります。関節を動かさなくても、腫れや激しい痛みが全身に起きることに特徴があります。
CASE STUDY 実際の事例
D氏は、35歳の独身の女性で一人暮らし。妹が近隣に居住しています。
関節リウマチで8年程前から受診しているものの、最初にこの病気を診断してくれた病院がどこかは不明とのこと。初診から現在までの間に、片手・片足にボルトを入れ、関節を固定する手術を行っていました。
また現在は、正社員として会社に勤務されています。通勤前の朝の準備の際は、通常だと1時間ほどで終わる準備に、3時間くらいの時間がかかってしまうとのこと。また、通勤時間も健常な時であれば1時間ぐらいのところを、2時間ぐらいかかってしまうようでした。
私を知っていたD氏の友人が、D氏の病状を見かねて、私に相談するように勧めたことから来所いただく運びとなりました。
SOLUTION 当事務所による解決
面談時に丁寧にお話を伺い、本人の記憶をたどっていただきました。その後ご自宅にお帰りになった際に見つけた資料などから、なんとか初診の病院は判明。しかし、そこはすでに廃院となっていました。
そこで、その当時のことを知る方から証明を取るかたちで初診時期を推定。さらに会社の方とも連携をとり、相談者様に対して会社が配慮している勤務体制を示していただき、書類を提出しました。
その結果、障害厚生年金2級を受給することができました。
POINT 気をつけたいポイント
-
この事例の一つ目のポイントは、「初診日が不確定でも年金受給が可能な場合がある」ということです。
今までは、厳格に確定した日付の証明書類の提出が必要とされてきました。しかし平成27年10月以降は、ある一定の条件はあるものの、今までのように厳格な確定日付が証明されなくても、初診要件を満たせるように取り扱いが変わっています。
今回のご相談者様は、初診と思われる日付時点までずっと厚生年金を納めていたことから、初診日についての申し立てが認められたものと思われます。 -
二つ目のポイントは、「働いていても障害年金受給が可能な場合がある」という点です。
障害年金を受給される方は、当然障害があるわけですから、会社勤務はもとより日常生活に不都合がある場合がほとんどです。
昨今のネットの情報では「働いていては障害年金がもらえない」と記載があるものもあったりしますが、受給できないかというと、必ずしもそうではありません。「いかに働いていることについての制限がかかっているか」が、受給のポイントになります。
※本事例は単なる一例であり、内容も抽象化して記載しております。同じ病名でも、相談者様の状況などにより受給できない場合もあります。